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彼の背中には、
稲妻の模様が幾つもあった。

嵐の日に雷に撃たれた痕だという奴もいたが、
この界隈じゃぁ有名な彫り師に
仕上げてもらった自慢の彫り物だと、
悪そな奴はだいたい知っていた。

彼は2号水槽の住民だったが、
同居人とはウマが合わず、
いつも壁の上から外を眺めていた。
俺の住む世界はどこにあるんだろう。
彼は水槽で生まれ、
ビニール袋で運ばれて、
やはり水槽で育った。
ガラスでできた高さ30cmの四方壁、
住民からはウォールマリアと呼ばれ、
外界の巨人から自分たちを守るものだと、
言い聞かされて育ってきた。
が、彼は知っていた、
巨人のうちの幾人かは、
我々に食料を持ってくるし、
定期的な清掃で住環境を整備している。
つまり、巨人は敵ではなく、
我々の世話人、いや、召使のようなものだと。

その日、彼は、ウォールマリアを越えて、
巨人の世界へと旅立つことにした。
3日前から決めていたことだ。

ウォールマリアを超えた世界は、
乾燥した世界で、
息が詰まるようだった。


30cmの壁を下り切る直前、
彼の周囲の景色は急速に上へと流れて行った。
乾燥で足を滑らせたのだ。
そのまま彼は意識を失った。





数時間後、
周囲の湿り気で目が覚める。
凄まじい速度で景色が後ろへと
流れていることに気づく。

全身を黒髭苔に包まれた、
4本足の獣の口の中にいることに気づいた。
巨人が犬と呼び、
給仕をしている生き物だ。
自分と同類であると思ったが、
自慢の殻を潰しかねない圧力に、
また意識が薄れて行った。
荒い息遣いが耳の奥に絡みついた。

薄れゆく意識の中で、
巨人に餌を与える係りの別の巨人が、
獣の口をこじ開けて、
彼を掴み上げたことを認識した。

再び意識が戻ったのは水槽の中だった。
その巨人は、彼の住処を認識できず、
1号水槽と呼ばれる別の壁の中に放り投げた。

彼はそこでも一人きりで、
水の中には入らず、
銀色の煙突の上で毎日を過ごした。

そしてある日、
この世界から自分を消し去ることにした。

彼は、自分の居場所を自分の殻の中に見つけ、
外界と遮断された世界で、
行ったこともない故里を想像し
生きて行くことにした。
明かりも餌もない煙突の中で。

その後、彼がどうなったかは知らない。






知ってるかー。
この煙突の中には、
夢のような世界があるんだぜぇー。
いっつも稲妻が飛び交ってて、
すごく眩しいらしいんだけど、
故里ってよばれる楽園もあるらしいぜ。

何ヶ月かに一度、

この煙突に入って行く
好奇心旺盛な子貝がいるが、
戻ってくるものは一貝もいない。






すいません、前回不評だった
小説風をまた書いてしまいました。
ネタにする写真が手元になかったので、
文字で誤魔化してしまいました。
特にオチもないし、
伝えたいことも不明瞭なので、
小説風はもう書きません。

最近忙しくて、
ブログネタになる写真を
撮れていないのです。
ネタがないなら更新するなよって
突っ込まれそうですが、
キーボードを叩いていると、
(iPadなので、ソフトウェアキーボードをですが)
気分が晴れるので、
校正もせずに垂れ流しちゃってます。
また暇になったら、
何時もの感じのブログに戻ります。
ゴメリンコ。
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コメント

  1. 古形大和

    文学的な語り口は、とてもいいんじゃないでしょうか。
    「そしてある日、この世界から自分を消し去ることにした。」
    は、今までで一番笑いました。

    ( 00:46 )

  2. 僕は好きですよ。
    読んでて楽しかったです(笑)
    何故彼は水から出るんでしょうかね。
    うーん、やはり自由が欲しいのか・・・。

    ( 09:14 )

  3. Honeyjapan

    僕も好きです。
    ばんきんさんのこういういつもから脱線した感じ。
    自由さが出てていいと思います。
    僕も水草小説書いて見たいんですよね。
    いつかは書きます。

    ( 23:00 )

  4. 自分もいいなぁと思いました。
    これからもぜひやって欲しいです。
    普段と違う視点から物事をみるのはすごいですね。

    もちろん、普段の記事も好きですし、勉強になります。
    ただし、製作技術は真似できませんが・・・
    「やってみたい」という気持ちにさせてくれるのは心地いいです。

    ( 23:43 )

  5. ヨロスケ

    ご無沙汰してます。

    結果、シュールです。
    誰にでも物語はありますが、研ぎ澄まされた感覚がないとこの文面には至りませんね。
    この想像力は奇才か、はたまた変人か(笑)

    また楽しませて貰いました。次作も期待しております。

    ( 21:07 )

  6. 333ばんきん

    古形大和さん・モーリー海老岡さん・Honeyjapanさん・TAKOさん・ヨロスケさん

    古形大和さんへ:
    いやぁー、お恥ずかしい限りです。
    うむ、あそこで笑っていただけるとは。
    文章の中に潜んだ自分の真相真理を
    読み取っていただいたようですね。笑
    とても興味深いので、
    今度お会いした時に、詳しく解説してください。

    モーリー海老岡さんへ:
    あっ、そう言っていただけるとすごく嬉しいです。
    最近、特に脱走兵が多く、
    家族からクレームが来ております。
    嫁さん曰く、水槽が小さいのだそうです。

    Honeyjapanさんへ:
    ありがとうございます。
    書いていて楽しいのですが、
    読んでいる人はつまらないだろうと予想していたので、
    とても嬉しいです。
    水草小説楽しみにしています。
    下流に流れ着いた水草が、母を訪ねて練り歩くやつですよね。

    TAKOさんへ:
    仕事が忙しくて、イライラしていると、
    なぜか、ひたすら文章を書きたくなります。
    また、小説風の記事が出たら、
    イライラしてるな!と思ってください。笑
    近いうちに水槽を立ち上げたいので、
    またDIY記事が出てくると思います。
    お楽しみに。

    ヨロスケさんへ:
    お久しぶりです。
    奇才も変人も、自分には最高の褒め言葉です。
    個性的に生き抜くのを目標に掲げていますので。
    意外に好評なので、
    機会があればまた書いて見たいと思いますが、
    次は、読み物として価値のあるものに仕上げるよう
    善処いたします。

    ( 22:46 )

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